元学生社長の希少な戯れ言

【ブログ7年目】フリーランス、学生起業を経て、日本最大のIT企業に就職した30歳が本音と真実を語るブログ

就活に「柱」なんて要らない! ~マズローの五段階欲求と就職~

こんにちは。さなだです。


「柱」

 柱。この言葉、就活でよく耳にしますよね。

就活の柱がないと何も始まらないとか、けっこう世の中では定説だと思います。


例えば、

例1:「私は刺激よりも、安定した収入が欲しいから大企業がいい」

とか、

例2:「私はゲームが大好きだからゲーム会社に入って、最高傑作を作りたい」

とか

例3:「私は人と話すのが好きだから営業をやりたい」

とか


例を挙げればキリがないほどに、よく聞く話です。


「柱」があれば就活は上手くいくかもしれないが、就職した後に後悔する

しかしこの「柱」、就活時点であれば上手くいっちゃうかもしれませんが、就職した後となるとそうはいきません。


なぜなら、学生には社会人経験がないため、その柱は無意味だからです。


分かりにくいので、先ほどの例をもとに考えていきましょう。

例1:「私は刺激よりも、安定した収入が欲しいから大企業がいい」

さて、こんな柱をもとに就活を頑張っている就活生A君がいるとしましょう。

この柱はおそらく、A君がものすごく考えて思いついたものです。

なので彼の中では柱のごとく強固な考えとなります。


しかし、彼は本当に刺激がなくても大丈夫なのでしょうか?

就職した後に、毎日毎日おなじ仕事をしているうちに飽きてしまわないのでしょうか。


例2:「私はゲームが大好きだから給与は低いけどゲーム会社に入って、最高傑作を作りたい」

こんどのB君はゲーム好きで、あるゲームでは全国ランカーに上り詰めるほどの腕だとしましょう。

「好きなことを仕事にしよう」という言葉を耳にして、B君はゲーム業界を志望します。

なにより大好きなゲームなら、なんでも耐えられる!そう考えるわけです。


しかし、もし入社した会社の給与がものすごく低く、残業代も出ず、ゲームをする時間もなくなるほどに仕事してしまうことになったら、彼は耐えられるでしょうか。


例3:「私は人と話すのが好きだし、成果が見えないとイヤだからベンチャー企業で営業をやりたい」

人と話すのが大好きなCさん。学生時代にカフェで接客をしていて、その経験から人と話す仕事をしたいと望みました。


しかし、接客と営業は違います。

接客は来た客に対してサービスを行う役割ですが、営業は客を取りに行く仕事です。

ロジカルな話しが出来つつ、臨機応変な対応が求められます。


まさか毎日何時間も電話で必死にアポ取りをして、調査を行って、相手の利益になる提案を行うことになろうとは、


Cさんは就職前には知ることは出来ません。

知ったとしても経験がなければ、無意味です。

 

では、どのようにして、会社や職種を選べばいいのでしょうか。


その答えがこれです。

 

マズローの五段階欲求

就活生なら必ずやる「自己分析」。

世の就活生は、強みとか弱みとかを探しますが、もっと根本的に自分のことを知る必要があります。


それが「欲」なのです。


マズローの五段階(マズローの欲求階層説)とは、この「欲」が満たされる順番についてマズローさんが唱えた説です。

かなり有名なものです。


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第一階層の「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、寝たいなど)で、この欲求を充たせれば、次の階層「安全欲求」を求めます。
第二階層の「安全欲求」には、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。
第三階層の「安全欲求」を充たすと「社会的欲求」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めます。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなります。
ここまでの欲求は、外的に充たされたいという思いから出てくる欲求です。

そして次に第四階層の「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)という欲求が芽生えます。ここからは外的なモノではなく、内的な心を充たしたいという欲求に変わります。

そして、最後に第五階層の自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)の欲求が生まれます。


マズローの五段階欲求を就職で置き換える 

ここからが本題です。

このマズローの五段階欲求を就職に置き換えると、このようになります。

1. 生理的欲求 : 空気、水、メシ
⇨給与、休日、残業

2.安全欲求 : 生をおびやかされない
⇨安定性、収益性

3.社会的欲求 : 人の輪の中で愛されたい
⇨社風

4.尊厳欲求 : 称賛されたい、輝きたい
⇨昇格、昇進のチャンス

5.自己実現欲求 : だれかのために
⇨社会貢献

つまり、就職してみると、

昇進のチャンスがない会社にいても社会貢献なんて考えないし、

社風(人間関係など)が悪い会社にいても、昇進なんて考えないし、

安定性がない会社にいても社風なんて考えないし、

給与が低く残業代が出ない会社にいても、安定性なんて考えない。

ということなのです。

さきほどの例で考えてみましょう。


例1:「私は刺激よりも、安定した収入が欲しいから大企業がいい」

刺激:尊厳欲求
収入:生理的欲求

のため、この判断は正しいです。
安定した収入があって初めて、刺激があるか無いかを考えます。

例2:「私はゲームが大好きだから給与は低いけどゲーム会社に入って、最高傑作を作りたい」

給与:生理的欲求
最高傑作:自己実現欲求

この判断は間違いでしょう。
給与が低くなると、最高傑作とか世のためとか考えることは出来なくなります。

例3:「私は人と話すのが好きだし、成果が見えないとイヤだからベンチャー企業で営業をやりたい」

これはどちらとも言えませんね。
成果を見たいというのは尊厳欲求ですから、そのベンチャーが給与面や安定性、社風などに問題なければ、Cさんは幸せな社会人生活を送ることができます。


柱と決めつけず優先順位をつける

柱となると、「給与or安定性or社風or昇進or社風貢献」のようなことになりますが、

このように、段階的に考えれば、「給与and安定性and社風and昇進and社会貢献」というような会社を選べば良いことになります。

まずは給与面が悪い会社を除き、
次に安定性のない会社を除き、
次に社風が悪い(離職率が高い等)会社を除き、
次に昇進しにくい会社を除き、
最後に自分にあった社会的意義のある会社を選べば、就職に失敗しません。


「柱」など作らず、マズローの五段階欲求に従って就活を進めれば良いキャリアが築けるでしょう。