【ストーリー②⑨】【大学4年/8月】社長業を辞めて、就職を決意する
華やかな大学生活を夢見ていた18歳の浪人時代から
学生起業を経て日本最大のIT企業で 働くようになった
現在までの経緯をストーリー形式で記事にしたシリーズです。
全33話を予定していますので、ぜひ最初から読んで みてください。
社長業を辞めて就職することを決める
人材紹介ビジネスが軌道に乗り、上手くいって会社は順調に成長していましたが、私は心の中で社長業を辞めることをほぼ決めていました。
そして8月末。オーナーのHさんにその旨を伝え、事業をHさんに継承したりお客様の引継ぎを行ってから辞めることとなりました。
現在もアイゼストはHさんが運営されています。
辞めた理由
なぜ辞めようと思ったのか、
その理由についてお話ししたいと思います。
1. 家庭の事情
私はこの年の6月に父親を亡くしていました。
長男である私は、父親に代わって家を支える必要がありました。
その際に、独立の身では安定しないかもしれないし、もしもの際に家族に迷惑がかかると考えたのです。
2. サラリーマン経験が無いのは弱み。新卒という看板を使える今、一度就職したい。
社長業をやる中で、サラリーマン経験が無い故に損をすることが何回もありました。
お客さんの新卒採用担当者は当然サラリーマンで、サラリーマン経験が無かった自分は相手の立場や考えが全く分かりませんでした。
また、勤怠管理やドキュメント管理など、会社の雑務みたいな部分もゼロスタートだったのでものすごく効率が悪かったです。
何事も"守破離"だと思っていた私は、新卒という看板が使える今こそ、まず企業に入って型を身に付けたいと考えました。
3. 株式を自分が所有していない
オーナーのHさんを信用していなかったわけではないですが、このリスクは非常に大きなものでした。
会社の株式は90%以上をオーナーが所有しており、資本金が1000万だったので自分が経営権を握るには700万近く必要だったのです。
走りたての当時は、そんなお金を用意できるわけもなく 、
「もしかして会社が本当に軌道に乗って安定したら、僕らは捨てられるんじゃないか」
そんな不安が常に心にある状態で事業をやり続けるのは至難の技でした。
社員も全員辞めることに
嬉しいのか悲しいのか微妙なところですが、私が辞めることを知ると社員も全員辞めることを決めました。
中には私の代わりに社長を継がないかとHさんから誘われた社員もいましたが、最終的に辞めることとなりました。
いま振り返って失敗だったと思うところ
社長業をやったこと自体は失敗だったと思っていません。とても貴重な経験が出来ましたし、知識やスキルも培うことができました。
しかし、振り返って見た時に「せめてこれは考えるべきだったな」と感じる点が2つあるのでご紹介したいと思います。
1. 社長になってみたい という欲に負けた
2. 社員やメンバーを増やしすぎた
たくさん人がいた方が大きなことができると、考えて人を増やしたのですがこれは失敗でした。
多くのメンバーの勤怠管理をしたり、連絡を取ったり、モチベーションを上げたり、教育を行ったりしている時間が多くなり事業としては効率が非常に悪かったです。
自分が持っていないリソースを取り込む場合のみ、メンバーを増やすのが得策だと今は思います。
そして、会社の事業を引き継ぐための長い長い1ヶ月が始まるのでした。
→続く